
AI需要が企業業績を牽引し、決算発表後に両社の株価が急反発
2025年7月末Meta Platforms(メタ)とMicrosoft(マイクロソフト)がそれぞれ第2四半期/第4四半期決算を発表し、AIとクラウド需要によって予想を上回る成果を示しました。特に、Metaの株価は11%以上、Microsoftも8%以上、時間外取引で急騰。生成AIへの強化投資姿勢も明確になり、投資家の期待が高まっています。
生成AIとクラウドが売上、利益を牽引し、今後の収益成長への期待が鮮明に
Meta の業績と見通し
Meta Platformsは2025年第2四半期決算で、調整後1株当たり利益(EPS)が7.14ドル、前年同期比で38%増となり、アナリスト予想の5.88ドルを大きく上回りました。売上高も**47.52億ドル(22%増)**と堅調な成長を記録しましたInvesting.comMeta。
さらに、次四半期の売上見通しはレンジ中央値で490億ドルとし、当初予想462億ドルより上方。また、設備投資額も690億ドルと上方修正し、総費用も1150億ドルから1160億ドルへ引き上げられましたMeta。
これらは全て、Metaが生成型AIへの取り組みを強化していることを示す動きであり、広告収益とAI関連事業への期待感が株価上昇につながりました。
Microsoft の業績と展望
Microsoftは2025年第4四半期決算で、売上高76.4億ドル(前年同期比18%増)、1株当たり利益3.65ドルと予想を上回りました。クラウド売上も27%増の467億ドル、Azureは39%成長と、クラウドとAI事業が業績の中心となりました。
CEOサティア・ナデラ氏は「ジェネレーションを超えるテクノロジー変革がAIによって進行している」と強調し、CFOエイミー・フッド氏は次四半期の設備投資を300億ドル以上とする見通しを示しました。
カンファレンスコールの内容(情報がある項目のみ)
- Microsoft:2025年第4四半期決算発表後、7月30日午後2:30 PT(東部時間5:30PM ET)にカンファレンスコール開催。CEOナデラ氏とCFOフッド氏が参加予定で、AIおよびクラウド戦略、OpenAI提携の展望も議論されたようです。具体的なトランスクリプトは利用可能になり次第公開予定です。
数字で見る業績と市場反応
企業 | 売上高(通期/四半期) | EPS | 株価反応 | AI/クラウド関連動向 |
---|---|---|---|---|
Meta Platforms | Q2:47.52億ドル(前年22%増) | 7.14ドル(予想5.88) | 約▲11%時間外取引で上昇 | 設備投資690億ドル/支出見通し上方修正 |
Microsoft | Q4:76.4億ドル(前年比18%増) | 3.65ドル(予想3.37) | 約▲8~9%時間外で急騰 | Azure39%成長/次四半期に300億ドル以上の投資計画 |
市場は、両社ともAI対応力とクラウド基盤を強みに、今後の収益成長を確信して投資姿勢を強化していると受け止めています。
AIとクラウドこそが“大型テック決算”の主役
MetaもMicrosoftも、共通して「生成AIおよびクラウド需要の高まり」が業績をけん引し、堅調な売上と堅実な利益率を実現したことが注目ポイントです。特に、Metaは広告収益とAI技術導入の両輪、MicrosoftはAzureとCopilotなど企業向けAIサービスの拡充という方向性が明快になりました。
今後の注目点:市場はどこに注目するのか?
- Meta の売上とEPSの実際のカンファレンスコール内容(生成AI戦略、Reality Labsなどの進捗)
- Microsoft のOpenAIとの提携動向とAzure拡大戦略
- AI時代における資本支出(CapEx)効率と投資回収性
- 広告市場・クラウド投資環境の地政学的・マクロ経済的リスク
IT・AI市場は今後も高速変化が予想され、決算だけではなく戦略の一貫性と資金運用の透明性がより重要になります。
結論:AI主導の成長と市場期待によって調整後も強気の見通しが継続
Meta PlatformsとMicrosoftの両社とも、生成AIとクラウドを軸とした収益成長が明確になり、決算発表後に株価は大きく上昇しました。カンファレンスコールの内容(Microsoft)、および今後公開されるMetaのコール情報から、より精密な戦略分析が可能になるでしょう。
トランプ前政権下では関税や規制を巡る政治圧力が注目されましたが、2025年におけるテック企業の価値は、むしろAI投資とクラウド能力に直接結びついています。