米国が対日関税の「スタッキング」撤廃を最終調整
米国は、日本からの輸入品に対する関税の「スタッキング（上乗せ）」を修正する方向で最終調整を進めています。トランプ政権高官が明らかにしたこの動きは、日米間の関税合意後に発生していた混乱を速やかに収束させる狙いがあります。自動車・鉄鋼などの主要分野にも影響が及び、日本経済にとって大きな転換点となりそうです。
関税撤廃と引き下げ
今回の調整は、対日輸入品への一律関税上乗せを撤廃し、自動車や部品の関税率を15％まで引き下げるという内容です。
また、米国は今月7日以降に徴収した関税のうち超過分を遡って払い戻す方針も示しており、日本企業にとっては資金面での負担軽減にもつながります。
トランプ政権と日本政府の交渉経緯
日米間では既に関税引き下げに関する合意があったものの、米国の大統領令や官報には日本政府の説明と一致しない内容が記載され、企業や市場に混乱を招いていました。
赤沢亮正経済再生担当相はワシントンでラトニック商務長官、ベッセント財務長官らと計4時間以上の協議を実施し、関税の是正措置や大統領令修正で合意。米側も「遺憾」の意を表明し、速やかな対応を約束しました。
自動車・部品の関税引き下げ──15％適用の具体的内容と時期
対象となるのは、自動車や鉄鋼など特定の分野別関税対象外の品目。一律15％の関税が課されていたケースです。
- 一律関税上乗せを撤廃
- 自動車・自動車部品の関税を15％に引き下げ
- 大統領令を速やかに修正
- 超過分関税の払い戻し
発表時期は米国側の判断とされるものの、「半年、1年といった長期先送りはない」との見解が示されています。
まとめ
トランプ政権による関税政策の見直しは、日米経済関係の安定化に向けた大きな一歩です。これにより、日本企業は貿易コストの軽減と経営計画の見通し改善が期待できます。今後は大統領令の正式発表と実施タイミングが焦点となり、両国の経済連携の方向性を占う重要な局面となります。
しかし早めに合意文書はつくるべきでしょう。性善説では不利益になるリスクが高い。