
テスラCEOマスク氏、FSD最新版を宣伝
米電気自動車(EV)大手 テスラ(TSLA) のイーロン・マスクCEOは、週末も自らのSNS「X」で、間もなく登場する完全自動運転(FSD)バージョン14について言及しました。同氏は当初、「人間の運転よりも2〜3倍優れている」と強気の発言をしましたが、直後に「現実世界では稀なケースが多く、デバッグには数カ月を要する」と冷静に補足しています。
さらにマスク氏は「バージョン15では10倍の性能向上が期待できる」とも発言しており、テスラの自動運転技術が今後どの水準に到達するか、市場の注目が集まっています。
人型ロボット「オプティマス」と未来ビジョン
マスク氏はまた、テスラが開発を進めるヒューマノイドロボット「オプティマス」にも言及しました。同氏は「将来的に人型知能ロボットの数は人類の人口を大きく上回り、普遍的な高所得社会を実現する」と強調。
医療や食料、住宅、交通手段などがすべて自動化され、豊かな社会インフラが整う未来像を示しました。これはややSF的なビジョンにも聞こえますが、投資家にとってはテスラが単なるEVメーカーを超え、AIやロボティクス企業として成長する可能性を示すものです。
EV税額控除の新ルールとテスラへの追い風
一方、米国内国歳入庁(IRS)は木曜日、EV購入における7,500ドルの税額控除について新たなガイダンスを発表しました。従来は9月30日までに納車を完了した車両のみが対象でしたが、今回の修正により「頭金を含む拘束力ある契約を9月30日までに締結」すれば、後日納車される車両でも控除が適用可能となりました。
この変更により、テスラやGM、フォードなどのEVメーカーは販売余地を広げることができ、四半期末にかけて販売台数の上積みが期待されます。 特にテスラにとっては、納期の都合で控除対象外となるリスクが軽減され、短期的に強い追い風となります。
ただし、10月以降は控除対象が終了するため、米国におけるEV需要は急減速する可能性が高く、投資家は注意が必要です。
テスラ株価の最新動向

金曜日の取引では、テスラ株は 6.2%高の340.01ドル と大幅に上昇しました。これにより、全ての移動平均線を上回り、下降トレンドを一時的に脱した格好です。テクニカル的には「積極的な買い場」と見る向きも増えており、短期的には投資家の買い意欲が強まっているかもしれません・・・。
私はテスラ株との相性が悪いのでなんとも。みなさんはどう思いますか?
ただし、FSDの性能評価や市場投入後の不具合対応、また税額控除終了後の需要動向など、不確実性も大きく残されています。長期投資家にとっては、テスラが自動車企業から総合テクノロジー企業へと進化できるかどうかが最大の焦点となるでしょう。
米国株市場全体へのインパクト
今回のテスラ株急騰は、米国株市場全体にも波及効果を与えています。S&P500やナスダックはテスラの比重が大きく、同社株価の動向は指数全体に直接影響を及ぼします。
- 短期的な追い風:税額控除延長とFSD発表による投資家心理改善
- 中期的なリスク:控除終了後の需要減速懸念
- 長期的な可能性:自動運転・AI・ロボット分野での成長ストーリー
このようにテスラの動きは、米国株市場の投資テーマとしても重要であり、特にテクノロジー株やEV関連株を中心とした投資戦略に影響を与えると考えられます。
投資家が注視すべき3つのポイント
- FSDの実用性と規制対応
「人間より安全」という水準を本当に実現できるかどうかは、規制当局やユーザーから厳しくチェックされる部分です。 - EV税額控除終了後の需要動向
9月末以降の販売台数が急減速すれば、株価に逆風となる可能性があります。 - テスラの事業多角化戦略
オプティマスなどのロボティクス分野が実際に収益源となるかどうかは長期的な評価ポイント。
まとめ:テスラ株は今が転換点か
テスラ(TSLA)は、FSDの進化とIRSの税額控除延長を追い風に短期的な株価上昇を見せています。一方で、需要の先食いや控除終了後の反動減など、潜在的なリスクも無視できません。