米国株市場で注目集まるEV競争 ― テスラとBYDの明暗が鮮明に

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BYD、第2四半期決算で予想大幅下振れ

出典:トレーディングビュー

米国株市場でも注目される中国EV最大手のBYD(BYDDF)は、第2四半期決算で投資家を失望させました。純利益は63億6000万元(約8億9000万ドル)と前年同期比で約30%減少。これは2022年第1四半期以来初めての減益であり、市場に衝撃を与えました。売上高は14%増の2010億元(約281億ドル)となったものの、アナリスト予想の2,259億元を大きく下回っています。

アナリストが期待していた調整後純利益111億8700万元に対し、実績は半分程度にとどまる厳しい内容でした。発表後、BYD株は米国市場で6.4%急落し、6カ月ぶりの安値水準となる13.69ドルに下落しました。年初来では20%超の上昇を維持しているものの、5月に記録した過去最高値20.50ドルからは大幅に値を下げています。

BYDってどんな企業?

項目内容
企業名BYD Company Limited (中国・深圳の大手メーカー)
株式(米国上場)ADR:BYDDY、OTC市場で取引される※
主な事業電気自動車、バッテリー、電子部品、太陽光発電、モノレールなど
強み自社で部品から完成車まで作る垂直統合体制、多角経営、技術革新
業績2024年は売上・利益ともに大幅増、2025年Q2は利益減少
技術面5分充電技術など未来志向の技術にも注力している

※ティッカーシンボル「BYDDY」は、アメリカの OTC(店頭取引市場)で取引される、BYD Company Limited の ADR(American Depositary Receipt) です。これは、中国企業の株をアメリカで買えるようにした仕組みです。

テスラが再び利益首位に

一方、テスラ(TSLA)は第2四半期に調整後純利益13億9300万ドルを計上し、BYDを再び上回りました。第1四半期はBYDが12億6000万ドルの純利益を記録し、テスラ(9億3400万ドル)を超えて話題となりましたが、今回はテスラが巻き返した形です。

テスラ 日足

ただし株価は決算発表後に軟調で、金曜日の取引では3.5%安の333.87ドル。週間ベースでも1.8%下落しました。年初来では17.3%の下落となっています。

中国市場での競争激化

BYDの苦戦の背景には、中国国内市場での競争激化があります。同社は大幅な値下げを行ってきましたが、販売台数は横ばいから減少傾向に転じています。政府による価格競争への規制強化もあり、収益性が圧迫されているのです。

一方で、欧州や中南米といった海外市場では高利益率の販売が進んでおり、今後は海外展開の比重がますます重要になるとみられます。テスラにとっても中国市場は最大の成長ドライバーの一つであり、同様に競争と規制の影響を受けています。業界データによると、テスラの中国販売台数は前年同期比で減少傾向が見られており、今後発表される8月の登録台数に市場の注目が集まります。

米国株全体への影響

今回のBYD決算を受けて、米国株市場でもEV関連銘柄に売りが波及しました。米主要株価指数は木曜日に0.9%下落し、S&P500は再び200日移動平均線を割り込みました。特に半導体関連株や自動車株の下げが目立ち、エヌビディア(NVDA)やキャタピラー(CAT)なども調整局面に入っています。

BYDやテスラといったEV企業の業績は、米国株全体のセンチメントにも影響を与える存在となっており、今後も決算や販売データは市場を揺さぶる要因となるでしょう。

まとめ

  1. BYDの海外展開の成否:中国国内の競争激化を背景に、欧州や中南米での成長が収益をどこまで支えられるか。
  2. テスラの中国戦略:価格競争と規制に直面する中で、どのように販売を維持するかが株価回復の鍵。
  3. 米国株市場への波及効果:EV関連銘柄はハイテク株と同様に投資家心理を左右しやすく、金利動向や政策リスクと絡み合いながら市場全体に影響を及ぼす。
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