ホーム・デポの決算分析:米国株投資家が注目すべき業績見通しと株価動向

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ホーム・デポ、第2四半期決算は予想をわずかに下回る

米国株市場で注目されるホームセンター大手のホーム・デポ(HD)は、2025年第2四半期決算を発表しました。調整後EPSは4.68ドルと、前年同期比でわずかに1%未満の減少。売上高は452億7,700万ドル(前年同期比+4.8%)となり、堅調な増収を示しましたが、アナリスト予想(売上高454億1,200万ドル、EPS4.72ドル)をわずかに下回りました。

既存店売上高は1%増と市場予想を下回ったものの、米国国内では1.4%増を記録。依然として堅実な消費需要があることが示されています。

消費者行動の変化:小規模リフォーム需要の増加

テッド・デッカーCEOは決算発表の中で「顧客が小規模な住宅リフォームプロジェクトに幅広く関わっている」とコメントしました。これは、米国の高金利環境で住宅購入が抑制される一方、既存住宅の改修や小規模リフォームに需要がシフトしていることを示しています。

一方で、CFOのリチャード・マクフェイル氏は「金利高止まりと経済不確実性により、大型プロジェクトは依然として停滞している」と述べました。つまり、大型案件は保留、小規模案件が収益を下支えするという二極化が進んでいる状況です。


2025年ガイダンスを維持:安定した業績見通し

ホーム・デポは2025年通期の業績見通しを据え置きました。

  • 調整後EPS見通し:14.94ドル(前年比▲2%)
  • アナリスト予想:14.99ドル
  • 売上高見通し:1,639億8,000万ドル(前年比+2.8%)
  • 既存店売上高見通し:+1%前後

このガイダンスから、同社は安定成長を維持するが大幅な伸びは期待しにくいことが分かります。住宅ローン金利の高止まりが消費者行動を制限している一方で、生活必需型のリフォーム需要が業績を支えているといえるでしょう。


株価の反応と米国株市場での位置づけ

決算発表を前にホーム・デポ株は1.2%下落し394.70ドルとなりましたが、その後の取引前に1.8%反発。年初来の株価上昇率は1.5%にとどまっており、同期間にS&P500指数が+7.4%と大幅上昇しているのと比べると出遅れ感が際立ちます。

それでも、アナリストの評価は比較的強気です。

  • DAデイビッドソン:投資判断「買い」、目標株価450ドルを維持
  • スティフェル:目標株価を425ドルから432ドルに引き上げ、「買い」推奨を継続

特にスティフェルは「直近の株価アウトパフォームは金利緩和期待が要因で、バリュエーションは適正化した」と評価しています。


投資家が注目すべきポイント

ホーム・デポはディフェンシブ色の強い小売株として、米国株ポートフォリオにおいて安定的な役割を果たしています。投資家が注視すべき点は以下のとおりです。

  1. 金利動向:金利低下が実現すれば、大型リフォーム需要が再び拡大する可能性
  2. 消費者マインド:インフレや住宅市場の動向が売上成長に直結
  3. 競合との比較:ロウズ(LOW)など他のホームセンター銘柄との相対的な業績
  4. 株価バリュエーション:S&P500指数に比べ出遅れ感があるため、割安とみる向きもある

まとめ

ホーム・デポは第2四半期決算で市場予想をわずかに下回ったものの、売上成長を維持し、2025年通期ガイダンスも据え置きました。米国株市場全体が力強さを見せる中、同社株は出遅れ感がある一方で、安定収益と配当の魅力から投資家の注目は根強く残っています。

短期的には金利動向と消費者支出トレンドが株価のカタリストとなり、中長期的には小規模リフォーム需要の継続が業績を支えると見込まれます。

米国株投資家にとってホーム・デポは「大きな成長は見込みにくいが、下支えの効いたディフェンシブ銘柄」として位置づけられるでしょう。

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