【米国株ニュース】インテル株に追い風、トランプ政権が10%株式取得を発表|国家戦略と半導体再生への期待

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インテル株、政府出資報道で急騰

米国半導体大手のインテル(Intel、ティッカー:INTC)は、金曜日遅くに発表された重大なニュースで再び投資家の注目を集めました。報道によると、トランプ大統領率いる米政権がインテル株式10%を取得することで合意したのです。

これによりインテル株は当日の米国株市場で5.5%上昇し24.80ドルで取引を終了。時間外取引でもわずかに上昇。出来高もやや多いようにみえます。大きいところが買いに来たのか。

米国政府の狙い:国家安全保障と半導体再建

今回の出資は単なる金融支援ではありません。インテルはこれまで米国半導体科学法(CHIPS法)に基づき22億ドルの助成金を受け取っており、さらに未払いの助成金57億ドル、セキュア・エンクレーブ・プログラム関連での32億ドルなど、政府との関係を深めてきました。

今回の株式取得によって、米政府はインテルを単なる補助対象から戦略的パートナーとして位置づけることになります。米商務長官のハワード・ラトニック氏も「アメリカ合衆国を株主として迎え、AIと国家安全保障を強化する一歩だ」と述べ、国家戦略の一環であることを強調しました。

CHIPS法(米国半導体支援法)とは?

CHIPS and Science Act(通称:CHIPS法)は、2022年8月に成立したアメリカの半導体産業支援法です。米国内での半導体生産を強化し、中国など海外依存を減らすことを目的としています。

項目内容
法律名CHIPS and Science Act(通称:CHIPS法)
成立日2022年8月
目的・米国内での半導体生産強化
・中国など海外依存の低減
・安全保障リスクの回避
背景・コロナ禍での半導体不足
・台湾・韓国依存のリスク
・中国の巨額投資への対抗
主な施策① 補助金:約527億ドル(7兆円超)
② 設備投資の25%税額控除
③ 研究開発支援(次世代半導体・AI・量子など)
④ 技術者・人材育成
対象企業Intel、TSMC(台湾)、Samsung(韓国)など米国内で工場建設する企業
効果・新工場建設ラッシュ
・雇用創出(数万人規模)
・サプライチェーン安定化
課題・工場稼働まで時間がかかる
・補助金に「中国投資制約」の条件あり
・技術者不足

トランプ大統領の思惑:「取り残されたインテルを救済」

ドナルド・トランプ大統領はホワイトハウスでの記者会見で、インテルの合意を歓迎。「インテルは競合に取り残されてきたが、この取引は同社の再生につながる」と述べました。

さらに、大統領はインテルのリップ・ブー・タンCEOとの会談で、直接このアイデアを提案していたことを明かしています。
米政府がインテル株式10%を保有すべきだと私が言ったところ、彼は『検討する』と答えた。私は『ぜひそうしてほしい』と伝えた」と語り、政権主導の強い意志を示しました。

今回の出資は、こうした構造的課題に直面するインテルにとって大きな転機となりそうですね。

米国株市場への影響:半導体セクター全体に波及

今回のニュースはインテル単体にとどまらず、米国株市場の半導体セクター全体に影響を与える可能性があります。

  • CHIPS法関連銘柄の再評価
    政府が直接株式を取得したことで、他の米国半導体メーカーも支援の対象となる期待が広がる。
  • AI関連銘柄への波及効果
    米国がAI分野での優位性確保を狙う姿勢が鮮明になり、エヌビディア(NVDA)やAMDといった関連株にもプラス材料。
  • 国家戦略としての半導体強化
    米中対立が続く中、半導体は「経済安全保障の中核」と位置づけられており、今回のインテル株式取得はその象徴的な動き。

投資家が注目すべきポイント

  1. インテル株の短期的な上昇余地
    政府出資というニュースは株価を押し上げる材料であり、短期的には25ドル台突破が視野に入る。
  2. 長期的な事業再建の成否
    技術力の回復と市場シェア奪還が実現できるかが、中長期の株価を左右する最大の要因。
  3. トランプ政権の政策リスク
    政権が変わる場合、インテル支援策が維持されるかは不透明。政権交代リスクを織り込む必要がある。

まとめ

インテル(INTC)は、トランプ政権の株式取得を受けて再び脚光を浴びています。競合に後れを取ってきた同社にとって、このニュースは再生への大きな転機となる可能性があります。

米国株市場において「国家戦略銘柄」としての位置づけを強めるインテル。今後の株価動向は、米国政府の政策と半導体業界の競争環境に大きく左右されることになりそうです。

インテル株の展開は面白いですね。

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