【米国株】7月アノマリー

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【2025年7月:米国株市場のアノマリーと注目ポイントまとめ】

7月は米国株市場において「夏の始まり」とも言える重要な月であり、多くの投資家にとって見逃せない季節性の特徴(アノマリー)が存在します。本記事では、過去の統計データや歴史的な背景を踏まえながら、2025年7月の米国株市場の傾向や注意点、注目すべき材料について詳しく解説します。


7月の米国株市場の特徴

歴史的に見て、7月は「夏のラリー」や「セカンドハーフ・リバウンド」が期待される時期です。米国株の代表的な指数であるS&P500は、6月の調整・調整警戒の後、7月にかけて反発しやすい傾向が確認されています。

7月のS&P500

S&P 500は歴史的に7月に堅調なパフォーマンスを示しています。過去35年間で、S&P 500の平均価格のみのリターンは1.4%であり、これは年間で3番目に良い月とされています 。さらに、直近の傾向は特に顕著であり、S&P 500は過去9年間連続で7月に上昇して終了しており 、これは10年連続のプラスリターンに伸びる可能性も示唆されています 。過去10年間では、S&P 500は7月に平均3.4%のリターンを記録しており、これは11月に次いで2番目に良い月です 。  

しかし、より長期的な視点(過去68年間)で見ると、S&P 500の7月のメディアンリターンは1.14%であり、これは他の月に比べて低い部類に入ります 。7月の利益は月の前半(取引日9日まで)に集中する傾向があり、特に7月の最初の取引日は平均して最も大きなプラスリターンを記録することが多いです 。

7月のナスダック総合指数

ナスダック100は歴史的に7月に堅調なパフォーマンスを示しており、1990年以降の平均上昇率は+2.1%です 。7月は株式市場に強気の追い風をもたらす傾向があり、ナスダック100は強い季節的パフォーマンス、平均プラスリターン、および高い勝率を示しています 。  

ナスダック100は7月にS&P 500を上回る傾向があり、過去30年間でより高い勝率(67%対57.8%)とわずかに高い平均リターン(1.4%対1.1%)を記録しています 。また、ナスダック100は7月にボラティリティが低くなる傾向があり、年間で2番目にボラティリティの低い月です

7月のダウジョーンズ工業平均

ダウ・ジョーンズ工業平均も歴史的に7月に堅調な月であり、平均して1.5%の上昇を記録しています 。2023年7月には、ダウ・ジョーンズは13営業日連続でプラスを記録するという顕著な連続上昇を見せました 。

7月のラッセル2000

ラッセル2000指数で測定される小型株は、2023年7月に6.1%上昇し、2ヶ月連続で大型株を上回るパフォーマンスを見せました 。2024年7月には、ラッセル2000は約10%上昇し、S&P 500(1.22%上昇)を大幅に上回りました 。このアウトパフォーマンスは、金利低下の期待に連動しており、金利低下は負債比率が高い小型企業に不均衡に利益をもたらすためです 。  

歴史的に見ると、小型株は長期的に(1926年以降)大型株を上回るパフォーマンスを示してきました 。しかし、過去10年間ではこの傾向は当てはまらず、大型株(S&P 500)がラッセル2000を概ね上回っていました 。

主要米国株指数の7月平均月間リターンと勝率
指数平均7月リターン (%)勝率 (%)データ期間
S&P 5003.4直近10年間  
S&P 5001.4過去35年間(価格のみ)  
S&P 5001.1455.9過去68年間(メディアン)  
S&P 5001.8651991年以降(メディアン)  
Nasdaq 1002.11990年以降  
Nasdaq 1001.467過去30年間  
Dow Jones Industrial1.5歴史的平均  
Russell 20006.1 (2023年)2023年7月  
Russell 200010 (2024年)2024年7月  

サマーラリー

「サマーラリー」は、米国株式市場における著名なアノマリーの一つであり、「夏場に株価が上がりやすい」現象を指します。この期間は一般的に、独立記念日(7月4日)からレイバーデー(9月の第1月曜日)までとされています 。

なぜ7月は強いのか?主要要因

(1) 四半期決算発表の影響
7月は4〜6月期の決算発表シーズンの最終局面に当たり、多くの企業が好決算を発表します。これにより市場心理が改善し、株価の押し上げ要因となることが多いです。

(2) 夏のポジション調整
投資家やファンドマネジャーが夏休みを控えてポートフォリオを見直し、リスクテイクに動くことも7月の上昇の背景にあります。


7月のセクター別パフォーマンス傾向

(1) テクノロジー・ハイテクセクター
7月はテクノロジー株が相対的に好調となる年が多く、特にAIや半導体関連の企業に資金が流入する傾向があります。近年ではNVIDIAやAMDなどが注目され、株価が上昇するケースが見られます。

(2) 消費関連セクター
夏のレジャーシーズンを控え、消費関連の小売業や娯楽関連企業も業績期待から動意づくことがあります。特に旅行関連銘柄や飲食チェーンは夏に向けてポジティブな材料を持ちやすいです。

(3) エネルギー・資源セクター
エネルギー価格の変動に左右されるものの、夏はドライブシーズンの影響でガソリン需要が高まるため、エネルギー株が堅調な傾向を示します。


過去の7月に起こった重要イベント

(1) 2019年7月 米中貿易摩擦の激化
2019年7月には米中間の貿易緊張が高まり、追加関税や報復措置が発表され株価が大きく乱高下しました。これは7月相場の不安定要素として市場心理に影響しました。

(2) 2016年7月 英国EU離脱ショック(Brexit)後の反発
Brexitショックが6月に起こった後、7月にかけて米国株は急速に回復。歴史的な回復局面のスタートとして7月が注目されました。


まとめ

7月は米国株市場において、夏のラリー期待が強まる重要な月です。過去の統計からも7月の平均リターンはプラスであり、夏相場の良いスタートとなるケースが多く見られます。一方で、地政学リスクや政策不確実性も存在するため、慎重な姿勢と情報収集が必要ですね。

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