2025年7月現在、米国株市場は再び“トランプ発言”で揺れ動いています。
今回注目されたのは、消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)といった重要経済指標の発表と、それに続くドナルド・トランプ大統領の連邦準備制度理事会(FRB)への圧力、さらには税制改正の話題です。
この記事では、最新経済データとトランプ政権の動きがどのように米国株や為替市場に影響を与えているのか、マーケティング視点を交えてわかりやすく解説します。

物価指標は「想定内の落ち着き」:CPI・PPIともに伸び鈍化
まず注目すべきは、7月中旬に発表された2つの経済指標です。
- 消費者物価指数(CPI)
- 卸売物価指数(PPI)
6月のPPIは前月比横ばい(予想:+0.2%)と、市場予想を下回る結果でした。
前年比では+2.3%と、エコノミスト予想の2.5%を下回っています。
これにより、市場では「インフレはひとまず落ち着きつつある」という安心感が広がりました。実際、発表直後の米国株市場は一時的に下落したものの、その後持ち直しています。
株式市場を揺らした“パウエル議長解任”報道
株価が再び波乱含みに転じたのは東部標準時午前11時15分過ぎ――
ホワイトハウス高官が記者団に対し「トランプ大統領は近いうちにパウエル議長を解任する可能性が高い」と発言したことが原因でした。
これを受け、ダウ平均やS&P500は急落。
ところが、約45分後にトランプ大統領自身が「近い将来にパウエル議長を解任する可能性は極めて低い」とコメント。市場は再び冷静さを取り戻しました。
この一連の流れは、いかにも“トランプ劇場”らしい展開です。
背景:トランプ大統領が望む「超低金利政策」
トランプ氏はかねてより「現在のフェデラルファンド金利(4.25~4.5%)は高すぎる」と主張してきました。
今週初めには「FRBは3%ポイントの利下げを実施すべき」とまで発言しています。
実は、パウエル議長の解任話は2025年4月頃から断続的に報じられており、トランプ氏は否定したり再燃させたりを繰り返しています。
その背景には、トランプ関税による物価上昇懸念があり、7月もFRBが利下げを見送る可能性が高いと見られていることが関係しています。
この問題はパウエル氏の任期満了(2026年5月)まで続きそうです。
トランプ減税”第二章──One Big Beautiful Bill Actとは?
もう一つ押さえておきたいトピックが、トランプ大統領が推進する「One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)」です。
これは、かつてのトランプ減税法案(2017年)をベースにしつつ、新たな減税措置を盛り込んだ大型税制改正案です。
その主な内容は以下の通り:
- SALT(州税・地方税)控除:4万ドルまで
- チップや残業代、自動車ローン利息などの新たな控除
- 65歳以上高齢者向け所得控除
ただし、これらには「所得制限」や「段階的廃止条件」が付いており、一定以上の所得層は恩恵を受けにくくなっています。
さらに、これらの新規定は2025年~2028年までの時限措置であるケースが多く、恒久化されるかどうかは不透明です。
マーケティング視点で見れば、「節税ニーズ」と「税制リスク」が同時に存在する状況と言えるでしょう。
今後の注目スケジュール
- 7月下旬:FRB政策動向・パウエル議長去就報道
- 8月21日~23日:ジャクソンホール会議
- 9月初旬:8月分CPI・雇用統計発表
- 2025年後半:OBBBA関連税制ガイドライン発表見込み
まとめ
今回の一連の流れを見ると、トランプ大統領の一言で米国株市場や金融市場が大きく揺れる構図が再び強まっていることが分かります。
- パウエル議長解任話
- 超低金利要求
- 大型減税案
にしてもトランプ大統領の一言でまだまだ相場が動きますね。