
家族を守るはずだった男が、なぜ離婚を選んだのか?
離婚と聞くと、シングルマザーを連想する方が多いかもしれません。しかし、近年増加傾向にあるのが「シングルファザー」。その背後には、意外な離婚理由が隠されています。
私自身も離婚を経験したシングルファザーです。離婚理由は「性格の不一致」。当初は乗り越えられると思っていた価値観のズレが、気づけば日常を蝕み、家庭という土台を揺るがしました。
今回は、厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査(令和3年度)」を基に、離婚に至る背景を掘り下げ、なぜシングルファザーが生まれるのかを考察します。
離婚理由は「性格の不一致」だけではない
厚生労働省の統計によると、父子世帯のうち「離婚」が理由である割合は**69.7%**に上ります。さらに、養育費の「取り決めをしていない」理由として最も多いのは、「自分の収入で経済的に問題がない(22.3%)」と「相手と関わりたくない(19.8%)」という回答です。
このデータから見えるのは、単なる金銭問題ではなく、「関係性の破綻」が離婚の根底にあるということ。性格の不一致、価値観の相違、コミュニケーションの断絶。どれも目に見えないが、確実に家庭を崩壊へと導く原因です。
離婚後の親子関係にも表れる断絶
もう一つ注目すべきは、離婚後の親子交流(面会交流)の実施状況です。
- 父子世帯で「面会交流の取り決めをしていない理由」のトップは「取り決めをしなくても交流ができる(30.3%)」
- 続いて「相手と関わりたくない(17.5%)」
また、実際に「現在も面会交流を行っている」父子世帯は**48.0%**にとどまります。
つまり、子どもを介した関係すら断ちたいほどの感情的な隔たりがあることがわかります。これは、「離婚原因が深刻な関係悪化に起因している」とする一つの論拠となるでしょう。
シングルファザーの離婚理由は“見えない摩耗”の結果
筆者の体験も含めて言えるのは、シングルファザーの多くは「ある日突然」ではなく、「じわじわとすれ違い続けた日々の果て」に離婚を選ぶということです。
- 会話が減る
- 共通の価値観が失われる
- 相手に期待しなくなる
- 家庭が“居場所”でなくなる
こうした積み重ねが、ある一線を越えた瞬間、「離婚」という決断につながります。
私もそうでした。子どもの前では「普通の父親」を演じていましたが、内面は限界でした。離婚は辛い選択でしたが、結果的に互いの尊厳を保つための手段でもありました。
離婚は敗北ではなく、再出発の選択肢
離婚=失敗と見る向きは根強いですが、それは誤解です。むしろ、「これ以上の関係の継続が双方にとって不利益である」と判断できる冷静さこそ、尊重されるべきです。
シングルファザーとしての生活は確かに大変ですが、自分らしさを取り戻すきっかけにもなります。そして、子どもとの関係もより濃密で真剣なものになります。
離婚を考えているあなたへ
もし今、夫婦関係に悩みを感じているなら、「自分がどうしたいのか」を立ち止まって考えてください。離婚は避けるべき“終わり”ではなく、状況によっては「再スタート」のための選択肢です。
また、子どものことや養育費などの不安もあると思いますが、公的支援や情報はしっかり整備されています。孤独を感じたときは、迷わず支援機関に相談してみてください。
参考までにメリット、デメリットもご覧ください。
まとめ:離婚は“関係の終焉”ではなく“再構築の始まり”
シングルファザーの離婚理由は、感情的断絶や性格の不一致といった深層に根ざすことが多い。
- :養育費や面会交流の取り決め率から見ても、元配偶者との関係が著しく悪化しているケースが多い。
- 筆者自身も性格の不一致が離婚理由であり、交流断絶が判断の鍵だった。
- 離婚は終わりではなく、新たな人生への一歩である。
※この記事に使用した統計データは、厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」より引用しています。